今日は一言も双葉と言葉を交わしてない


分かってる分かってるんだ



自分が双葉の気持ちに気付いてて


その気持ちを踏みにじってる事くらい



だけど



どうしても、まだ


ずっと手を繋いでいたあの頃の感覚が残ってるんだ



なぁ、双葉、繋いだ手を離せずにいるのは



俺だけかな?




“幼馴染”と言う関係を壊したのは俺なのに



パズルを崩したハズなのに



心のどこかできっとパズルの欠片が



まだ残ってる




今、健人がいる



双葉のとなりは



いつでも帰れる


俺の居場所だったのに






ごめん双葉



許してくれなくてもいい




ただ、謝りたかったんだ




だってさ謝ったら



何だか明日には



また



『澪斗』って笑いながら



走って俺の横に来てくれる様な気がして




また



あの頃みたいに



他愛もない話しながら



あの通学路を



歩ける様な気がして


ならないんだ



「また明日」


窓の外にいる


双葉に向かって



呟いたその言葉は



きっともう双葉に届くことはない




いつもは合言葉みたいな


言葉だったけど



だんだん失くなっていた


『また明日』



いつか双葉に届くかな?