ヤンキー×お嬢様


「楽しかったです」

「そうなんですか」

「特にありません」

と、無表情で答えたのを褒めたい。

残念ながら、私は元々必要最低限のことしか動かないようで、逆にいうと自分に無関係ならばどうでもいい、ということなんだ。

気が付くと、『1年S組』の教室に着いた。

ゴリラから、合図を出したら中へ、と小説で主人公が転入して初めて教室に入るときによく見かける言葉を言われた。

合図、ね。

理解した私を置いて、ゴリラは教室に入る。

途中、歓声があがったのは転入生が来たことを生徒に伝えたからだろう。

ふと、扉についてる窓を見るとゴリラは私に手招きしていた。

入るのか。

これから過ごす学校生活のシナリオを頭で少し考えてから、大きく深呼吸した。


ーーーー今度こそ、私は・・・


扉を開け、顔を真っ直ぐに向けたまま歩く。

教卓まで行くと、方向転換させこれから約1年間お世話になる人たちの方を向いた。

見渡すと、みんなが私を好奇心のある目で見ていた。

男子は、仲の良さそうな男子とハイタッチやガッツポーズして、女子は、周りの子とひそひそ話し出した。

S組といってもガリ勉は、わずからしい。