君色【完】








「────異常はありませんね」



颯太が目覚めて、少ししてから先生を呼んだ。
颯太の身体を点検し、優しい笑顔でそういった。

その言葉に、あたしはほっと胸を撫で下ろした。



「この調子なら、明後日には退院できるでしょう」

「明後日ですか?」




ずいぶんと、予想していたよりも早かったので思わず聞き返してしまった。



「はい。元々健康なお身体なので、心配ないです」

「そうですか...」