君色【完】







「よかった...目が覚めた......うぅ...っ」

「......ごめん」




泣きながらそう叫ぶあたしに、颯太は小さく謝ってあたしの背中に手を回した。


久しぶりに聞く声。
久しぶりに触れる颯太の手。

いつもいつも、すぐ近くにあったけど
触れることなんて出来なかった。




「......そうたぁ......あぁあぁ.....っ」

「...」




ただ颯太の名前を呼びながら、泣いていたあたし。
そんなあたしを優しく抱いてくれたのが颯太。