君色【完】










「───お邪魔します」




放課後。あたしはいつものように、颯太のお見舞いに行っていた。




「......颯太...」

「......」



当たり前のように、返事はない。


静かに眠る颯太。
とても綺麗だった。


病室の窓から入り込む、爽やかな風。

その風が、あたしの髪の毛や頬、
同じように颯太も優しく撫でていた。