あたしは急いで塾のカバンを手に取り、家をでた。 ...机に置いたままのワークシートを忘れたまま。 「───ヤバイ~っ」 塾に一番近い交差点に到着したのは、すでに5時をまわっていた。 そして、運悪く信号につかまってしまう。 本当、信号運悪い...。 焦る気持ちを表すかのように、あたしは無意識のうちに右手でショルダーバッグを軽く叩いていた。