君色【完】









「───っそ...くそ......っ」


声のするほうをこっそり覗くと、硬いコンクリートの壁を殴っていた1人の人影。
暗いので見えにくいが、俺と同じ歳ぐらいの男だった。



「おい、なにやってんだ!」



思わず俺は、その男をとめにかかった。


「......っ」



すると、壁を殴っていた男は俺を睨みつける。