君色【完】








ユイちゃんは、自分の顔の前でパン!と勢いよく手を合わせ、泣き声であたしにお願いする。
そのお願いに断れなかったあたしは...




「いいよ?でも、今度なんかちょうだいね」


OKしてしまった。


「本当!?ごめん絵梨ちゃぁん......。今度絶対なんかあげる!約束!」

「うん、ありがとう」



最後に「ありがとう!」と連呼すると、ユイちゃんはふわふわと髪の毛を揺らしながらどこかへ行ってしまった。



......まぁ、別に断らなくたって減るもんじゃないしね。

ユイちゃんも本気で困ってたし...。
それにしても、ユイちゃんは好奇心旺盛な仔犬のようだ。