君色【完】







「あ?なんだお前?」


あたしの腕を掴んでいた男が、なめた口調で言う。




「......あー、絵梨のバカ」

「拓人...」



拓人はこの状況を把握したのか、ため息交じりにそう言った。
バカって...バカだけど......。


「絵梨。行くぞ」

「えっ...」



そういうと、男につかまれていたあたしの腕を強引に引っ張った。