「失礼します…」



「そんなにかしこまらなくていい。緩くしていなさい。私は新撰組局長の近藤勇だ」



やっぱりそうなんだ…。



教科書とかで見る顔よりも全然優しかった。




「ところで、奏華くんは何故あんなところで寝ていたのだ?」




…素直に『未来から飛ばされました』なんて言えない。



逆に怪しまれて殺されちゃうかもしれないよ…。



とりあえず、私は言い訳を作った。



「えっと…、親と買い物に行っててはぐれてしまって…」



「あそこらへんは迷うようなとこじゃねぇぞ」



ゔ…。



土方さんの言葉に詰まる私。




「まぁ、トシ。慣れない所から来たかもしれないだろう」




近藤さん、ナイスフォローです。



土方さんは納得してないようだけど、口出しはしなかった。




「はい…。遠い所から来てわからなくなってしまって…」




「そうか。それは気の毒にな」



頷きながら、私の話を信じてくれた。