週明けの朝、私は部長のデスクの前にいた。


「部長、お疲れ様です」

「お疲れ様」

「以前作成させていただくことになっていたブックカバーの企画書、作成しました。お願いします」

「あぁ、あれか。できたんだな」

「……はい」

「じゃあ、読ませてもらうよ」

「よろしくお願いします」


緊張しながら部長に手渡ししたのは、ブックカバーの企画書。

予想はしていたけどやっぱりすごく緊張してしまって、まだ午前中の仕事が始まったばかりだというのに、それだけで一仕事終わったような気がしていた。

とりあえず、一段落だ。

デスクに戻り、はぁと息をついて、椅子に座る。


「……佐々木さん、お腹痛いのか?」


普段はめったに溜め息なんてつかない私に気付いた佐山さんが、わざわざパソコンを打つ手を止めて心配そうに声を掛けてきてくれる。

ていうか、私の様子が変わった時はやっぱり「お腹が痛い」になるのか……。

何でだろう……。今日はまだ間食もしていないし、トイレとお友達になっているわけでもないのに。


「いえ。何でもないです。お気になさらず」

「そんな感じしないけど。……あぁ、紀村と何かあったか?」

「!」