モノクロ

 

「あるだろ? 接点なら」

「え?」


佐山さんが自分を指差し、にっこりと笑う。

イケメンな笑顔を目の保養にしながら考える。

そっか。確かに、佐山さんは“情報源”というだけじゃなくて、“接点”でもあるのか……。

ということは……。


「もしかして、仲を取り持ってくれるんですか?」

「いや。それは自分で頑張れ」

「え、でも、接点のお仕事ってそういうことじゃないんですか? 期待しちゃったんですけど」

「期待なんてさせた覚えはない。そうだな、明日以降だ。楽しみにしておいて」

「はぁ……」


佐山さんが考えていることはよくわからないけど、味方になってくれるみたいだし、ちょっと心強い。


「──佐々木さん」

「あっ、はいっ」


話し掛けてきたのは、少し頭の上が寂しくなってきた企画部の主任の須々木さんだ。


「中央テーブルに乗せてる資料の整理、頼めるかな? 量が多いから、明日からぼちぼちやってくれたらいいから」

「あ、はい。了解ですー」

「よろしく」


企画書を書いてもいいという話にはなっていても、やっぱり就業時間中は仕事が立て込むな……。

自分の仕事もちゃんとこなさないといけないし、企画書は残業時間とかを使って頑張るしかない。

ここは踏ん張りどころだ。きっと。


「引っ張りだこだな。佐々木さんは」

「そんなことないですよ。これくらいしかみんなの役に立てることはありませんから」

「いや、頼もしいよ。仕事も恋愛も頑張れよ」

「うっ、はい」


ちょっとしたプレッシャーを感じつつ、私は再びパソコンに向かい始めた。