そう思った時には、本音がぽろりと出ていた。
「……やっぱりいいなぁ。私もいつかは好きな人と幸せになれたらいいなぁ」
「……」
「どうすればいいのかな……」
「素直になればいい。そのままの佐々木さんをぶつければいいんだよ」
「そのままの?」
「そう。堂々たるオタク代表の佐々木さんを」
「! からかってます!?」
「そんなことないって。心から応援するよ」
ははっと笑う佐山さんのことは何だか腑に落ちなかったけど、ここは素直に聞いておこう。
こんなにいい“情報源”はないから。
又聞きのようだけど、先輩の過去の女性関係まで聞けたことは大きい。
「じゃあ、紀村さんの情報、たくさん垂れ流してください」
「垂れ流すって。知ってることは教えてもいいけど、本人からいろいろ聞き出して相手のことを知っていくのが、恋愛の楽しいところなんじゃないのか?」
「うーん、確かに……。でも接点がないっていうのが問題ですよね。私、営業との会議にも出てないですし、そう簡単に会える環境なんてありませんから」
先週は偶然会うことが多かったけど、それがこの先続くとは思えないし、実際に今日は会えていないのだ。
次はどうやって会えばいいのかな。
用事もなく営業部に押し掛けるなんて勇気はさすがに持ってないし……。

