「……」
「何。もしかして佐々木さん、紀村のことが好きなのか?」
「はいっ!?」
急に黙ってしまった私の顔を、佐山さんは愉しそうな表情で覗き込んでくる。
ぶっこまれた質問に、慌ててえへらと笑顔を作る。
「そっ、そんなわけ~」
「あるわけね。すっごい顔に出てるし」
「えっ、嘘!」
顔をぺたぺた触って確認すると、佐山さんにくすりと笑われてしまった。
しまった! かまかけられた!?
「図星か。マンガマンガ言ってる佐々木さんにもついに春が来たんだな。正直心配してたけど、それは良かった」
「何がいいんですかぁ~。付き合ってるわけでもないんですよ?」
「いや。佐々木さんの場合は現実の男に興味持っただけでも、大きな進歩だな。二次元の男は結婚できないって何度言っても聞かなかったろ? 紀村がいいヤツだってことは間違いないし、仕事もできて信頼もできる。いい選択だと思うよ」
うんうん、と頷く佐山さん。
何だかすごい言われような気がするけど、きっと誉めてくれてるんだと……思う。
たぶん……。

