「あの、私もお酒好きで美味しいお酒があるところ知ってるんです。しかも飲み放題で! 居酒屋なんですけど、そこでもいいですか?」
「うん、もちろん。確かに、佐々木さんってイメージが居酒屋っぽいよね!」
「何ですかっ、そのイメージ!」
「いや、見るからにお酒たくさん飲みそうじゃん?」
「う……間違ってはないですけど」
「くくっ、やっぱり。俺も結構強い方だけど、負けるかなー?」
「勝負します?」
「おっ、いいね。そのヤル気。じゃあ、行こっか」
「はいっ」
……って、サクサクと話が進んでるけど、ふたりっきりでご飯に行くの……?
マンガ並の展開の速さなんだけど……!
これって、自惚れてもいいパターンですか? 相模原先生っ!
王道の恋愛マンガを何年も描いているマンガ家さんに頭の中で問いかけてしまう私は、どこまでもマンガが中心にあるらしい。
私にとってマンガは人生のバイブルでもあるのだ。
「佐々木さん、今日の仕事は大丈夫? 残業はないのか?」
「今日はもう帰ろうかと思ってたところなんです」
「そっか。じゃあ、20分後にロビーで待ち合わせしよっか」
「はい! あ、でも先輩って車あるんじゃないんですか? お酒飲んでも大丈夫ですか?」
「車は会社に置いてくからいいよ。今日は飲みたい気分だし、ガンガン飲もーぜ!」
「はいっ! じゃあ、日頃の鬱憤晴らしましょ!」
「くくっ。だなっ」
こうして、出逢ってから1日も経っていない人……すごく気になっている人と、飲みに行くことになった。
もちろん、私はこれでもかと言うくらい浮かれていたんだ。

