モノクロ

 

……って、もしかして!


「カニとお寿司と趙々苑は無理ですっ! 今月金欠なので勘弁してください!」


マンガの買い過ぎで金欠なんです、とはカッコ悪くて言えないけど!

ふと先輩を見ると、先輩はきょとんとした表情で私を見ていた。

……あ、あれ?


「紀村先輩?」

「あっ、いやいや。ほら、佐々木さんが前に進めたお祝いも兼ねてさ。どこでもいいからさ、佐々木さんのオススメの店にでも連れてってよ。なっ?」


にっこりと笑ってくれた紀村先輩だったけど、どこか違和感があった。

“大先輩”って呼ばなかったからご飯に、ってことだと思ったんだけど、違うのかな……?


「急だし、無理?」

「いえ、大丈夫です! むしろ大歓迎です! 喜んで行きます!」

「ぷ。大歓迎って」


くすくすと笑う先輩を見つめながら、頭の中にインプットされているお店を探していく。

あ、あそこがいいかも。


「紀村先輩ってお酒大丈夫ですか?」

「うん。大好き」

「!」


先輩の“大好き”という言葉に、私の心臓が跳ねた。

自分に言われた「大好き」ではないけど、先輩の言葉はどれもストレートに私の心に入り込んでくるからだと思う。