モノクロ

 



定時まで、あと30分。

仕事もさくさく進められたし、残業はほとんどなしで帰れそうだ。

今日は金曜日だし、スッキリした気持ちで土日を過ごせる。

マンガをたくさん読んでやるんだ!


「佐々木さん。ちょっとこっち来て」

「あ、はい」


ちょいちょいと手を上下に動かす部長。

何だろう? また急な仕事だったりして……。

少しビクビクしながら、私はメモ帳を手に部長のデスクに向かった。


「これのことだけど」

「……あっ、はい!」


部長の手の中にあるのは、午前中に私が出した企画書だ。


「読ませてもらったよ」

「はい……。ありがとう、ございます」


まさか、本当に目を通してもらえるなんて。しかも、こんなに早く。

ドキドキしながら、部長の言葉を待つ。

呼ばれたってことは何かを言われるということだ。

何を言われるんだろう?

こんなのは形にならない、って? それとも──。