モノクロ

 

──そうだよ。

紀村先輩にも背中を押してもらったんだ。

ここで頑張らなきゃ、どこで頑張るの?

頑張れ、私っ!


「……あ、あのっ、これも見てもらえませんか? 図々しいとは思うんですけど」

「お、何?」

「その資料をまとめながら考えたことを書いてみたんですけど……目だけでも通してもらえたらって」

「……ほぉ。企画、ってことでいいんだな?」

「……はい」

「わかった。ゆっくり読ませてもらうよ」

「! よろしくお願いします!」


少し驚いた表情をしながらも笑顔で受け取ってくれた部長に、私はぺこっと頭を下げた。

ドキドキはおさまらないまま、踵を返して自分のデスクに戻る。

……私が考えた案が通った訳じゃない。

でも、突き返されずに受け取ってもらえたというだけで、嬉しかった。

たったそれだけなのに、一歩踏み出せた気がしたんだ。