「はぁ~……」
上昇していくエレベーターの壁に、頭をコツンとぶつけて息を吐く。
先輩的には同じ大学出身、というところで私に構ってくれてるんだと思う。ただ、それだけ。
でも私は……紀村先輩と話せるのがこんなに嬉しい。ドキドキする。
出逢ったばかりなのに……。
「……ヤバい。これって……」
恋なのかな……?
でも、私ってこんなに惚れっぽかったの?
確かに、マンガのヒーローにはすぐに恋するけど……。
昨日の今日でこんなにも私の心の中を占める存在。
一目惚れとは違うと思うけど、先輩と一緒にいると楽しくて嬉しい。
先輩のことで頭がいっぱいで、先輩のことをもっとたくさん知りたい──。
もう何年も感じていなかった気持ち。
そのふわっとした感情に、どうしたらいいんだろう?と、私は今まで読んできたマンガのストーリーをぐるぐると頭の中に思い返していた。

