モノクロ

 

……やっぱりおかしい気がする。

機嫌が悪いっていうか……何かを考え込んでいる雰囲気だ。

悩みでもあるのかな?

その理由がすごく気になるけど、とりあえず私の“知りたい”という欲は置いておいて、まずは先輩だ。

もし悩んでいるとしたら笑えば少しは気が紛れるはずだし、何よりも先輩には笑顔でいて欲しい。

そう思った私は、先輩に向けて変顔をしてみた。

何でもいいからとにかく笑ってもらいたいと、両手で頬をむに~っと押さえて。


「ひぇーんぱいっ」

「え?」


目線を上げた先輩とばちっと目が合う。

その瞬間、先輩が吹き出すように笑い出した。


「ぶっ! ブサイクっ」

「あっ、酷いです! せっかく体張って先輩を元気付けようとしてるのに、ブサイクとか!」


なーんて口を尖らせて拗ねたように言ってみるけど、本当は先輩が笑ってくれてホッとしていた。

先輩にはやっぱり笑顔が似合ってる。


「さきこはホントかわいいなー」

「!」


かかかかかわいいって……!

「ブサイク」と言われた後の「かわいい」という言葉。

アメとムチか!と突っ込みたくなるような先輩の不意打ちの言葉に、一気に顔に熱が集まる。

お世辞でも何でも、朝からご馳走さまです!


「お誉めいただき、至極光栄ですっ」

「ははっ、なにそれ。いやーでも、さきこがいつも近くにいてくれたら、毎日が楽しくて、笑顔で居れるんだろうな」

「へ……?」

「くっ、何そのバカっ面」

「……」


思わぬ言葉にぽかんと口を開けてしまうと、先輩はくすくすと笑った。

そ、それってどういう意味……!?