モノクロ

 

「ぶはっ! 最高だな、これ!」

「えっ?」


急に吹き出してげらげらと笑う先輩に首を傾げると、目の前に先輩の携帯が出てきた。

その待受画面に表示されているのは、私が描いたふーくんの絵だ。


「!? ちょっと、何で待受にしてるんですか!?」

「いや、ウケるし。このたこ焼き、落ち込んだ時に元気くれそうじゃん? 何かわかんねぇけど、ご利益もありそうだし。くくっ」

「!」


先輩は自分の携帯の画面を見て、くすくすと笑う。

完全にバカにされてるのはわかってる。

……でも、嬉しいんだけど……!

だって、先輩の携帯の待受画面が私の絵で飾られてるんだよ?

携帯を使うたびに目に触れる場所だから、見るたびにきっと私のことを思い出してもらえるってことだよね……!?

……と都合のいいことを思ってしまったけど、それはきっと、私が勝手に都合良く考えているだけで、実際は先輩には全く深い意味はないんだと思う。

ただこうやって笑えるから待受画面に置いてくれてるだけで、飽きたらきっとすぐに変えられちゃうんだ。

そう思ったらちょっと切なくなってしまった。

でも先輩が元気になってくれるなら。私はそれだけでいい。


「……それは喜んでいい言葉ですか?」

「もちろん。そうそういないって。こんな笑えるたこ焼き描ける人間。」

「……。」


すごく真面目に答える先輩に、もう、“ふーくんだ”と言い直す気力もなくなった。

誉めてもらえた、ってことにしておこう。

ふーくんごめんね? これからはたこ焼きとして生きてください。