モノクロ

 

写メが添付されたメールが送信箱の一番上にあって、そこに表示されているのは見覚えのないアドレス。

これが先輩のメアドなんだ……。

まさか先輩のメアドを知る日が来るなんて、嬉しい……!

消されちゃう前にアドレス帳に登録しないと!

差出人のアドレスを選択してアドレス帳を呼び出す。

“キムラハヤト”……と。

登録ボタンを押そうとした時にアドレスを見て気付いた。

monochromeって、モノクローム……?


「……モノクロームって、先輩、白黒が好きなんですか?」

「ん? あー、うん。昔から好きなんだよな。何か良くない? 色のない世界って」

「……まぁ悪くはないですけど……何か寂しくないですか? 色がないのって」

「そう? 俺はいいかな。白と黒だけあれば、色がなくても」

「……」


そう言う先輩は笑っているけど、何となく寂しげに感じてしまう。

色がない世界がいいなんて、何でそんなに寂しいこと言うの?

色がある世界はすごく温かくて、楽しいのに。

それは私が身を持って体感してる。

先輩に出逢ってから、モノクロだった私の世界には色がついて、こんなにキラキラしてるんだから。

先輩にも色のある世界もすごく素敵だってこと、知ってほしい。

青や赤、ピンク、黄色、緑。

もっともっとあるけど、そんな鮮やかでキラキラした世界を。

……私色に、なんて贅沢は言わないから。