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「じゃーん! 見てくださいっ、これ!」
「は? 何これ」
「何と! 梢ちゃんから私へのプレゼントなんですよ~!」
「はぁっ!?」
「えへへ~」
暇だから付き合えと紀村先輩に飲みに誘われたのは、ある金曜日のこと。
もちろん、先輩との連絡手段は持っていないから佐山さんを通じて、だ。
先輩からのお誘いの話を聞いた時、飛び上がりそうなくらい喜びそうになったけど、すぐに“単なる後輩として誘われただけ”だと気付いて、私のテンションは下がってしまった。
でも、切ない気持ちはあるけど、こうやって誘ってもらえて傍にいさせてもらえるんだもん。
避けられることもないし、幸せだと思わなきゃ。
好きな人の傍にいれるなんて、そう簡単に叶うものじゃないから。
気持ちも表に出さないって決めたし、この状況を楽しまなきゃやってられない。
それに、私にだって考えがあるんだから!
勝手に無駄な負けず嫌いを出した私は、梢ちゃんからもらった手紙を見せびらかしてやる!と、ここぞとばかりにその手紙を先輩に自慢することにしたのだ。
先輩にとってはちょっとした嫌がらせだろう。
「今日は特別に先輩に見せてあげようと思って。特別ですからね! どうぞ~」
梢ちゃんの絵を差し出すと、さっと引ったくるようにして先輩の手がさらっていく。
「あっ、ちょっと! 丁寧に扱ってくださいよ!?」
「何だよ、これっ!? ずりぃ! 何でさきこだけなんだよ!」
「えへへ~。いいでしょ~!」

