決心した私は先輩と梢ちゃんが一通り遊び終わったところを見計らって、梢ちゃんの名前を呼んだ。
「梢ちゃんっ」
「?」
「こっちにおいでっ」
今日の目標を完全に梢ちゃんに定めようと開き直った私は、先輩の膝に乗っている梢ちゃんを呼び寄せようと声を掛ける。
「おじちゃんじゃなくて、あーちゃと遊ぼっ?」
梢ちゃんがぽいした“ふーくん”を手に取り、私は梢ちゃんの目の前でふーくんの手を動かしたりしてゆらゆらと揺らす。
その動きに梢ちゃんは吸い寄せられるようにふーくんに手を伸ばし始めた。
よし、食い付いた! ……と思ったのに。
「梢ははーたがいいよなー?」
「はーた!」
先輩は梢ちゃんを抱き直して笑顔を向け、それに対して梢ちゃんも先輩に抱きつこうと手を伸ばす。
「ちょっと! 先輩だけ梢ちゃんを独り占めするなんて、ズルいじゃないですか! 私も梢ちゃんと遊びたいです!」
「はぁ? それは梢が決めることだろ? 梢は俺と遊ぶのが楽しいんだから。梢ははーたとおばちゃんのどっちがいい? もちろん、はーただよなぁ?」
「梢ちゃんはあーちゃとも遊びたいよねぇ? ほら、ふーくんもいるよ。一緒に遊ぼ?」
先輩に負けじと、私もふーくんを味方に笑顔を梢ちゃんに向ける。
そんな大人気ない私と先輩をきょろきょろと見比べる梢ちゃん。
そして、口を開く。

