モノクロ

 

「……まったく。梢が言うんなら、仕方ないなぁ」

「へ?」

「梢も望んでるし仲良くしようか? さきこ」

「ひゃ……っ!?」


肩に力が掛かって急に視界が傾き、突然のことに私は思わず目をつぶってしまう。

そんな中、耳に届いたのは若菜さんの「きゃーっ!」という黄色い声だった。

……え? 何が起こったの……?


「あーちゃ?」

「へ?」


かわいい声がすぐ近くから聞こえてきて、私は目をパチッと開ける。

すると目の前には、きょとんとした顔で私を見る梢ちゃんの姿があった。


「……梢、ちゃん? え?」

「あーちゃ! きゃははっ」


梢ちゃんが楽しそうに笑い出したけど、私の頭の中は疑問符でいっぱいだ。

何で梢ちゃんがこんなにドアップに見えてるんだろう?

それに、何か肩が重いし、その上、何かに寄り掛かっている気がする……。

一体、何に……。

ふと身体を預けている方向に目線を上げると、超至近距離に先輩の顔が見えた。


「……。ひえっ!?」

「ぶっ。驚きすぎだし」


えっ? えっ? 何っ、どういうこと!?

私が寄り掛かってるの、先輩なの!?

じゃ、じゃあ、もしかして、肩に乗っているのは先輩の腕!?

え? え? 何で!? どうして!?

状況がわからなすぎて私は動くこともできず、パクパクと口を動かすことしかできない。


「くくっ、バカっ面」

「!! ……ごっ、ごめんなさいっ!」

「ぶっ、認めたし」


先輩の言葉で我に返った私は、くすくすと笑う先輩から光の速さで離れる……はずだったのに。