「あーちゃ?」
「! なぁに? 梢ちゃん」
梢ちゃんが私の名前を呼んでくれて手を伸ばしてきたので、それに応えるように手を差し出すと、梢ちゃんはその小さな手できゅっと私の手を握る。
その手はすごくかわいくて、きゅんとした。
「はーた」
「ん?」
同じようにすぐ近くにあった先輩の手を握った梢ちゃんは満足そうにこっと笑い、私と先輩の手をきゃっきゃと笑いながら楽しそうに上下に動かし始める。
「~~っ!」
か、かわいい~!
梢ちゃんの行動がかわいすぎて、悶えてしまう。
それに梢ちゃんを間に挟んでいるとは言え、私と先輩が繋がっている状況に、何故か嬉しくなってしまって。
こういうの、家族っぽくない!?
って、私、痛すぎるけど! 妄想しすぎだ……!
変な方向に進みかけた思考を戻そうとした時、意外と強い梢ちゃんの腕の力が私の手にかかった。
「へっ?」
「梢?」
それは先輩も同じだったようで。
梢ちゃんの手によって引き寄せられた私と紀村先輩の手がバシッとぶつかった。
「!?」
「なかよしっ! きゃははっ」
「やだ梢っ! いい仕事してるじゃない!」
梢ちゃんは両手を叩きながら満面の笑みを浮かべて笑い、若菜さんまで楽しそうにきゃっきゃと笑う。
そしてその横で、私にニヤリと笑いかけるのは佐山さんだ。
いやいやいや! 佐山さんのその笑いはおかしいですって!
私が先輩にしっかりフラれてること、知ってますよね!?
先輩はどんな反応を……と思った瞬間、予想もしなかったことが起こった。

