モノクロ

 

「ふ。さきこ、まだまだだな。会話が若菜経由だし」

「はい?」

「ほら、梢、おいで」

「はーた!」


手を広げた先輩に向かって、梢ちゃんが満面のかわいい笑顔を浮かべて、とてとてと歩み寄っていく。

先輩のところに到着した途端、梢ちゃんは持っていたふーくんの人形をぽいと投げて、先輩の腕にひしっとしがみついた。

うっ! これもたまらなくかわいい! っていうか……。


「先輩、“はーた”って呼ばれてるんですか?」

「うん。隼人(はやと)だから、“はーた”らしい。な~梢」

「ん! はーた!」


先輩の名前、“隼人”って言うんだ……。

またひとつ、先輩情報ゲット。

梢ちゃんにめろめろな様子の先輩の笑顔も、すごくかわいくて。

先輩って子供が好きなのかな?


「梢、ホントでかくなったな!」

「きゃははっ」


満面の笑みを浮かべた先輩は慣れた様子で梢ちゃんを抱え上げ、身体を揺らす。

梢ちゃんも先輩に慣れていて、すごく楽しそうだ。

先輩って、いいパパになりそう。なーんて。