「梢なりの“あきちゃん”、よ?」
「わっ、私の名前ですか!?」
「そっ。ちょっと失敗しちゃったけどね」
「そんなこと……! すごく嬉しいです! 梢ちゃんに名前を呼んでもらえちゃうなんて!」
「そんなに喜んでもらえるなんて、梢、良かったね~」
若菜さんの呼び掛けに梢ちゃんは「うん!」と言って、若菜さんの方に、とてとて、と歩き出す。
あっ、今がスキンシップのチャンスなのに!
これを逃すわけにはいかない!
「若菜さん、あのっ! 梢ちゃんに触ってもいいですか!?」
私は梢ちゃんの後を追うように手をわきわきと動かす。
端から見れば完全に怪しい動きだし、触らせてほしいだなんて怪しすぎる頼みだけど、梢ちゃんのかわいさに我慢できなかった。
「ぷっ。どうぞどうぞ。たくさん遊んであげて」
「わぁ! ほんとですか? ありがとうございますっ!」
「ほら、梢。明希ちゃんが遊んでくれるって」
「……」
若菜さんが私を指差したのを見た梢ちゃんは無言で再び私の方に振り向いてくれる。
その表情はきょとんとしていて、それがまたものすごくかわいい。
怖がらせないようにと、私は笑顔を浮かべた。
「梢ちゃん、こんばんはっ」
「……」
「ほら、梢。ごあいさつは?」
「……こんばんはっ!」
「~~っ!」
にこっと笑って挨拶をしてくれた梢ちゃんは、そりゃもう、鼻血を吹いてしまいそうなかわいさだ!

