そこは空地。
いや
本当に何もない空地。
ジャイアンが歌ってそうな空地。
街灯も何もない空地。
いまどき
こんな平和な空地があったのか。
ある意味感動。
工事現場用の土管まであるよ
ちょっと最高だね。
「気を付けて」
彼に手を取られながらヒールで空地を歩き、土管までたどりつく。
彼はハンカチを広げ
私をそこへ座らせる。
「寒くてごめん」
「大丈夫」
彼の肩に抱かれ
くっついてるから大丈夫。
それで?
ジャイアンはいつ登場?
キョロキョロしてると
「上向いて」って言われ
素直に上を見上げると
プラネタリウムのような星空が広がっていた。
すごい
綺麗。
冬の星座がキラキラ光る。
気温が低いせいか空気が澄み星が輝く。
壮大なる
神様が作り出したイルミネーション。
「晴れてよかった」
そこでやっと彼が笑う。
優しく笑う。



