流れる星を見つけたら

「そんな事より」
5歩下がった場所に立ってる秘書らしき男性にパンフレットを預け、私の肩をグラグラと揺する。

「お前の占い流行ってるだろ。どんだけ稼いでも間に合わないのか?男か?悪い場所から金借りてるのか?」

イケメンの必死な顔って
ちょっと怖いかも

てか揺すり過ぎ
ブランコ乗ってる気分。

「社長痛い」

「相談に乗るから来い」

って
男性に何やら指図し
社長は私の襟首をつかみ
同じビルにあるカフェに私を強制的に引っぱって行く。

猫じゃないし……私。

情けない。








「俺に語れ」
いつもの俺様マー君に戻り
洒落た椅子に深く座り構える社長。

別に
マー君に話す事はないのだが

マー君より
除霊のデキるシェフの方が頼りになりそうだし。

「何でも言え」

って言われた。
だから私は遠慮なく聞く。

「サンドイッチ占いのお姉さんと社長は、どーゆー関係なんでしょうか?」

するとマー君
思いっきり咳き込んで顔を真っ赤にさせる。

「そこかよっ!」

「そこです」

「お前には関係ない」

焦ってる焦ってる
そしてまだ顔が真っ赤。

「別の質問にしてほしい」

スルーかよ。

「じゃぁさっきの冠 二郎のパンフレットは?」

「鳥羽一郎だ」

演歌歌手はわかんない。

「社長らしくないパンフレットだったよ」

「あれは……その……」

不気味だ。
そのデカい身体とイケメンだけどヤーさん的な社長が照れると不気味だ。

「凜子さんが……好きだって……」

「凜子さんって誰よ」

「……凜子さんは凜子さん」

小学生レベルの返事だな。

って
もしかしたら
凜子さんって

ゴズロリサンドイッチお姉さん?

勝ち誇った笑顔が浮かんできた。