流れる星を見つけたら

「すんごく気分悪い」
しっかり顔を見て言うと

男も負けない。

「僕も同じ」

相性が悪いって
こんな感じなんだろーな。

「そこだけ気が合ったね。それじゃぁもう二度とお会いしない事を祈りながら、さようなら。もう永遠にさようなら邪悪な刑事さん」

「そうですね。詐欺師さん。永遠にさようなら」

「全て知った顔で犯人逃がして最低な刑事さん。さようなら」

「犯罪者の卵のお姉さんさようなら」

くやしーーー!

なんつーか
くやしいぃいいいいい!!

「社長。ごちそうさま」
大きな背中に叫んでから
私は反対方向だけれども、クルリと方向を変えて家に向かう。

ムカつくわー
マジ腹立つあの男!

せっかくの美味しい料理の味も忘れそう。

偉そうに
人を見下して
詐欺師扱いして

詐欺師

うん

占いができない私は

詐欺師なのかもしれない。

でも
話を聞いて納得して
元気になってくれる人達もいるでしょう。
だから私はそーゆー人を助ける為に

いや

無理があるか。

うん
詐欺師かもしれない。

人を騙してるかもしれない

だって
そうしなかったら

明日のご飯にも困る状況だから。

お父さんは借金のせいで出稼ぎに出てるし、お母さんは身体弱くして働く事もできず家にいるし、お兄ちゃんは人妻と出て行ったし。

私だって
騙したくて騙してるワケじゃないんだよ。

見て見ぬふりして
ずっと自分を偽ってきた今の職業。

ズシーンと
性悪刑事の言葉が響く。