流れる星を見つけたら

話を変えよう。

「それで、これからどーすんの?」

追及すると
不思議そうな顔で私を見る。

やっぱり
悔しいけど眼鏡の奥の二重が可愛い。
爽やかな顔だった。

「犯人はわかってるけど証拠がない。手は無いんでしょう。警察が泣き寝入り?」

顔を見ないようにしよう
顔に騙される。

「宝石を手に入れて保険も出て、おまけに社長からお見舞い金もらって、いいなぁー!」

だって
それが通るのなら勝ち組じゃん。
犬も逃げてく要領の悪い我が家が情けない。
ヤケクソにそう言うとバシッと頭を叩かれた。

「痛い」
怒って顔を上げると
本気で怒った顔がそこにある。

「泣き寝入りはしない」

「だからって叩く事ないじゃない」

「犯罪を称賛するから」

「事実だもん」

「嘘つき占い師に言われたくない」

「嘘つきって何よ。私は本物の占い師なんだから」

「ただ洞察力が鋭いだけでしょう。貴女みたいな目つきの人を僕は沢山見てきた。人を観察して利用して金儲けする最低な人達をね。貴女も同じ匂いがする」

「それが何が悪いの?」

「詐欺でしょう」

私と刑事は立ち止まり
いつの間にか大きな声を上げていた。

「詐欺でも何でも人の話を聞いて上げて、客が満足して帰ればそれでいいでしょう」

「だからそれが詐欺」

「犯人がわかっていて逃がすのはいいの?」

「逃がさない」

「どーすんのよ」

「話す義務はない」

「責めるだけ私を責めて最低」

「責められてると思っているのなら、自分で非を認めているんだね」

あーいえば こーゆーし。
イライラがMAXになってきた私。