小さな小さな恋物語

なんかこの二人、初々しいな。


当分の間はこの関係が続きそうね。


なんてたって、佑希は超鈍感だから。



あたしは一度クスリッと笑った後に最後の一押しをした。


「じゃあ、智流君。
佑希をよろしくね。」


「えっ? あっ! うん。亜依ちゃん、ありがとう」


最初は戸惑っていた智流君は最後には笑顔で言った。



「あっ、亜依。バイバイ」


佑希は智流君の出現によって真っ赤になった顔をしながら言った。


そんな佑希を見てあたしは佑希の耳元に近づいた。



「がんばれ」


そう言った後に佑希から離れて、


「じゃあ、また明日」


佑希は顔を更に真っ赤にして、


「ちょっ! 亜依!?」


大きな声で叫んだ。



「ほら。佑希ちゃん!行くよ」


智流君に引きづられながら、佑希は教室から出ていった。