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「で?結局なんでオレを連れてきたんだよ?」
ベッドを背にガトーショコラを頬張るしょーたが首を傾げながら聞いてきた。
「あぁ、それは――」
ガチャ。
「ただいま、ゆう」
俺の言葉をドアの音が遮り、続いて声が降ってきた。
「あ、おかえりー」
俺はニコッと笑う。
「祥太郎も、ただいま」
兄貴はしょーたにも優しく微笑みかけた。
「……お帰りなさい」
しかし、しょーたはというと、
いつものように
『おかえり、稜にぃ(ハート)』
なんて甘ったるい感じはなく、むしろツンとした感じを受ける。
ま、理由は簡単だ。
「いらっしゃい、市原くん」
兄貴は学校とは別人みたいな超絶イケメンスマイルで賢哉に挨拶をした。
「お、お邪魔してます」
賢哉はそんな兄貴の表情に、片方の口角をピクピクと震わせながら、居心地悪そうに応えた。

