「いや、ひいてない。 てか寧ろ……自分に驚いてる」 「え?どゆこと?」 悠が首を傾げる。 おれは胸の中に湧き起こった熱い気持ちが爆発してしまわないように、 ゆっくりと言葉を紡ぐ。 「おれさ、君には才能があるだとか、期待の新人だとか、言われてるけど、でも……正直それを嬉しいなんて思ったことなかったんだ。 なんかただの社交辞令みたいなものでしょ?みたいな。 だからちょっと冷めてるよね、みたいなこと言われることもあったんだ」 苦笑を浮かべるおれに、それでも二人は真剣な目を向けてくれた。