木崎はその後、学校に来たり来なかったり
遅れてきたり早退したりを繰り返していた。

時々俺と学校で目が合うとなんともいえない切なそうな目をすることがあった。

現状の辛さからなのか
俺が話したことへの思いなのか
俺にはわからない。

そんなある日。
卒業式まであと一週間という日だった。
岡村先生がとぼとぼと封書を持って職員室に入ってきた。

『どうしました?』
思わず声をかけると
『木崎、明日から診断書出て、欠席だって』
と診断書を差し出した。

診断名は急性胃炎。

『このまま来なくなったりしたらなぁ…
一応診断は出たけど
木崎を大手振って休ませるためにドクターが書いたらしいんだよね。』

木崎の母親の話では
木崎は石本とのことで悩み抜いて
体も限界に来ている。
だが、休むことには抵抗があるとドクターに話したところ
ドクターは木崎を大手振って休ませるために診断書を書いたとのこと。

診断の日付を見ると卒業式の前日までだった。

そんな話をしていると
『失礼しまーす』
という声が聞こえた。