別れて2か月が過ぎた頃だろうか。

ポストに手紙が入っていた。
あいつからだった。

『荒木くんへ

元気ですか。
別れて2か月が過ぎましたね。
学校でも滅多に会わないし
私も部活サボってるから会わないけど。

荒木くんにお知らせしたいことがあり手紙を書きました。

先月荒木くんの子供を妊娠しました。
荒木くんと別れてから妊娠がわかりました。
私も学生だし荒木くんとは別れたし
中絶しました。

そんなわけで今は自宅療養と言い訳しつつサボってます。

とりあえずは元気にしてます。

事後報告ですが一応お知らせしておきます』

感情的な言葉は一切なく
事実だけ並べてあった手紙だった。

俺はその手紙を何度も読み返した。
手が震えた。
手紙を投げ捨てると泣き出した。
吐き気を催し吐いた。

なんだろう、この感情。
怒り?
哀しみ?
嘆き?

わからない。

自暴自棄になるとはこういう気持ちなのだろうか。

俺はこのあと誰にも会いたくなくなり
授業は勿論部活もしばらく休んだ。

あいつにどんな顔したらいいんだ?
中絶しました、だ?

一言相談してくれてもよかったんじゃないか?

産めとはいえなかったかもしれないけど
なにかいってやれたんじゃないか?
なにかしてやれたんじゃないか?

俺が悪いのか?
俺の責任なのか?

俺だけが悪いのか?
いやあいつも悪いはずだ!

何が起こってる?

訳がわからなかった。