たくさん泣いて、あたしがようやく落ち着いた頃。


「どう……?」

「あー……ちょっと赤くなってるな」


あたしの顔を覗き込み、苦笑しながらそう言う翼。


「やっぱり……」


泣き腫らした目。

これじゃ泣いたってバレバレ……。


「こんなんじゃ教室に戻れないよ……」


何より……同じ教室にいる修ちゃんに会うことなんて、できない。

泣いてたってバレたら……絶対聞き出してくるもん。

……そしたら、あたしは何て言えばいいの?

……やっぱり、もうちょっとここにいよう。


「……ありがとう、翼。
もう大丈夫だよ。
あたし、もう少しここにいるから先に教室に戻ってていいよ」


これ以上翼に迷惑はかけられないし……。


そう思っていたけど、翼はあたしの顔を見て優しく笑った。