「修ちゃん……と……」
いつものように笑顔の修ちゃん。
そしてその隣に寄り添うように立っている可愛らしい女の子……。
あぁ……この子が……。
すぐに誰だか分かって、あたしの心の中でモヤモヤした黒い感情が渦巻き始める。
「あぁ、ちゃんと話すのは初めてだよな。
昨日話した彼女。
佐原美月」
修ちゃんが見たこともないぐらい嬉しそうな顔で隣にいる彼女……美月ちゃんを紹介する。
美月ちゃんは軽く会釈をすると、可愛らしくあたしに微笑みかけた。
「泉ちゃんだよね!
佐原美月です。よろしくね」
あぁ……いい子だ。
笑顔で自己紹介をする美月ちゃん。
ドロドロとしたものを内に抱えて作り笑いを浮かべる自分がすごくちっぽけな存在に思えてきた。
「よろしくね……」
何とか挨拶を返すけど、少しだけ声が小さくなってしまった。
そんなあたしを修ちゃんが不思議そうに見る。
あたしはそんな修ちゃんの視線に触れたくなくて、さりげなくリナを前に押し出した。
「この子はリナ。あたしの友達だよ」
突然紹介されたリナは少し驚いた様子だったけど、あたしの表情を見て何かを察してくれたのか「よろしくー」と違和感のないように挨拶をしてくれた。