「あ……」


部室のドアが開き、泉が出てくる。


「お疲れ」

「うん……ありがとう」


一応言葉は返してくれるけど……泉は気まずそうに視線をそらす。

仕方ない……そう分かってるけど、やっぱり傷つく。


「……泉」


違う……。

泉のこんな顔を見たかったわけじゃない……。

俺はただ……


「……ごめん」


……俺の小さな声に泉が反応して、やっとこっちを向いてくれた。


「え……?」

「何か……ごめんな」


ただ自分の気持ちを押し付けてるだけだって分かってる。

でも……泉のそんな辛そうな顔はもう見たくない。

泉には笑っていてほしい。

……俺のそばで。