「やっぱ、泉すげぇな」
「……それで?
いつから……?」
「昨日だよ。
やっぱ泉と翼にはちゃんと報告しとかなきゃなーって思って、さっきそこで翼に会ったから報告してきた」
「……そっか」
あたしは汐田泉。高校二年生。
翼とはあたしの幼なじみ。
神沢翼。
「いやー……もうOK貰ったときはマジで飛び跳ねるぐらい嬉しかったよ。
絶対フラれるって思ってたし」
修ちゃんはその彼女のことを嬉しそうに話す。
あたしはその時、どんな顔をしていたのかな……。
笑顔にしてるつもりではあった。
でも、当然心から笑えるはずなんてなくて……
でも、それが修ちゃんにバレるのも嫌で……
「……おめでとう」
必死に作った笑顔で……修ちゃんにそう言った。
心なんてこもってない……ただの言葉。
自分が最低だなんてことは分かっていたけど……それ以上どうしろって言うの?
……あたしは涙を堪えるのに精一杯だったんだよ。