君に捧ぐシュート


あたしが焦るのとは正反対に小田先輩は落ち着いた様子で焦りまくるあたしを見ていた。


「いずみんだって知ってんでしょ?」

「えっ……!?」

「あれ?
だって告白されたんでしょ?
翼に」


えっ……なっ……なっ……なん……


「何でっ……!?
何で先輩が知ってるんですか!?」

「んー……何でって言われても……。
昨日、俺もあの現場にいたからとしか言えないけど……」

「えぇぇぇぇ!?」


いた!?

あの現場って……屋上だよね!?

だって、あたしが屋上に行った時には翼しかっ……


「あ、言っとくけど聞きたくて聞いたわけじゃないからな。
最初からあそこにいたのは俺だ。
その後翼が来ていずみんが来て……あれ?これって俺がいたらマズいんじゃね?とか思ったけど、面倒くさかったから動かなかった!」


そんな得意気に言われましても……。


でも……そっか。

聞いてたんだ……。