裕大は全速力で廊下を走っていく。
現金な奴だな、裕大って・・・
でも、そんな裕大が俺は本当に羨ましい。
滅多に他学年の階に来ない俺たちは、
1年の階に着くなり、注目の的だった。
1番注目されてたのは、裕大なのだけれど。
(色んな意味で・・・)
「沙奈ー!!」
周りの目を気にせず、
大声で沙奈ちゃんの名前を呼ぶ。
俺は息を整えながら裕大の所にと向かう。
裕大がでっかい犬みたいに見えるのは俺だけか・・・?
沙奈ちゃんを待つ裕大が、
飼い主の帰りを待っている犬に見えた俺。
少し経って、沙奈ちゃんは裕大と俺の方にと来た。
「ちょっと、
そんな大きい声で呼ばなくたっていいじゃない!」
「えー?ごめーん!!」
「もう・・・
何、お弁当食べちゃったの?」
「違うって!
今日はお前に話があんの!な、悼矢!!」
「お、おう」
悼矢と聞いて、
沙奈ちゃんの肩がピクッと動いたのが分かった。
・・・・?
