side悼矢
部が終わり、
俺は制服に着替えていた。
沙奈ちゃんに会ったあのあと、
体が軽くなったのかいつも以上に動けたような気がした。
貸してもらったハンカチ。
俺は結局そのハンカチを使うことが出来なかった。
何かもったいない気がして。
明日、洗って返すかな・・・
「んで、沙奈ちゃんにあれこれ・・・」
俺の隣では弘樹たちが輪になって
沙奈ちゃんの話をしている。
今日の朝言ってたやつか?
「お前ら・・・またそんな話してんの?」
「またってなんだよ、またって!
これは俺たちにとって重大な問題なんだぞ!!」
ずいずいと俺に怒りながら言ってくるので
俺は圧倒されてしまう。
今日初めて弘樹たちの気持ちを知って、
渡邉の行動とかみていた。
俺が言うのは何だけど、
確かに渡邉の仕事の仕方は差別みたいなものがあった気がする。
俺も、冷たく突き放したけど―
