「じゅ、准くん!?」
「前見て歩けよな!危ねぇだろ!?」
「う・・・ご、ごめん・・・・
・・・って、部活は!?」
「んなもん、心配しなくていーから」
「そんなもんって・・・」
さっきまで自分の事で色々考えてたって言うのに、
俺に会った途端俺の心配すんのかよ・・・
沙奈ちゃんは、中学の時から自分の事は二の次で、
周りの奴が困ってたりしていたら、
そいつの話を聞いてやったりしていて、
俺は逆に沙奈ちゃんの事が心配でしょうがなかった。
いつ、自分の時間を作ってるのかとか、
もっと気楽に過ごせばいいのにとか。
俺の場合、話を聞いてるフリをして話を聞いてなかったり、
自分には関係がなかったら話を聞くことすらしない。
でも、沙奈ちゃんの場合は違う。
自分の事のようにみんなの話を聞いて、
考えて、
悩んで、
苦しんで。
上手くいったらみんな同じくらい・・・
いや、みんな以上に喜ぶんだ。
それがいけない所ってわけじゃない。
俺は、そこにも惚れたんだ。
