あたしは英語の宿題をやろうとシャープペンを持った時、
亜衣に話しかけられた。
「・・・さっきの話になるんだけどさ、
何で辞めちゃったの?」
「え・・・?」
「サッカー部のマネージャー。
楽しそうにやってたから辞めないと思ってたのに・・・
何か嫌なことでもされた?」
「・・・されては、ない・・・」
亜衣は動かしていた手を止めて
あたしの顔を見た。
あたしはシャープペンを触りながら
亜衣に言うか悩んでいた。
悼矢さんと渡邊先輩が
仲よくしているのを見たくなかったという事を。
自分でも馬鹿みたいな話だって事は分かってる。
分かってるんだけど・・・
「悩むくらいならあたしに言った方がいいよ。
どんな話でも受け止める。笑わないから」
「亜衣・・・」
「沙奈にとっては・・・
誰にも言えなかったくらい考えてた事なんでしょ?」
「うん・・・」
「だったら絶対笑わない!
何年一緒にいると思ってるのっ」
1人で悩んでもしょうがない事。
あたしは誰かに言ってもらいたかった。
“何でも話を聞くから”って・・・
「あの、ね・・・?」
「うん」
あたしは夏合宿の話を全て話した。
