「へ・・・?」
「だから!沙奈の事だよ!!
何て言ったんだよ!?」
「ちょ、裕大・・・」
「っざけんな!!休憩時間の時も、
悼矢んとこで話して他のメンバーに何もしねぇ奴が、
沙奈にマネージャー失格何て言えんのかよ!?」
裕大の声がグラウンド中に響き渡る。
これでもかってくらいに怒りをむき出しにして、
理性を保つのに必死な表情をしていた。
准は裕大の声が聞こえて駆け足でこっちに向かってくる。
「裕大、落ち着け!!」
「渡邊、何か言えよ!言ってみろよ!」
渡邊は裕大を見て少し肩を震わせていた。
怒らせたくて言ったわけではないことくらい、
俺にでもわかる。
でも、裕大は嫌だったんだ。
沙奈ちゃんが何も出来ない子だと思われるのが。
「裕大、そんなに怒んなくたっていいだろっ!?」
「悼矢は何で渡邊の事庇うんだよ!?
お前も沙奈がマネージャー失格だって思ってるのか!?」
「そんなんじゃねぇよ!
けど!
渡邊が怖がってんだろ!?
わかんねぇのかよ!!」
「悼矢・・・!裕大も止めて!
あたしが言っちゃいけないこと言ったから悪いの・・・
裕大ごめん・・・」
渡邊は裕大に謝るものの、
裕大は許そうとはしない。
なぜそんなになってまでも沙奈ちゃんを庇うのか
俺には分からなかった。
