「……」

無言の彼にもう一度問いかける。

「殴った…の?」

「――…ああ…殴った」

そう一言だけ呟いて俯く。

「…どうして?」

「……」

「私の…せい?」

「慎?どうなの?」

有紗がイラついている。

「…俺の口から…言えると思う?」

「――…え?」

「図書室で…2人になにがあったか…なんて」

まさか……

「…ゴメン…見えてた…知ってた」

そう言うと顔を背けた。