「…琴葉ちゃん…その…大丈夫?」

心配して待っててくれたのかな?

「うん!もう大丈夫。ゴメンね?びっくりさせちゃったかな…」

…沖本君は知らないんだよね…。どうして倒れたのか。


知られたくはない…。

だってあれは龍太のある意味、自分勝手な行為――。

だけど…私の中に確実にある女の部分。


龍太に触れられただけで、私の全身、まるで別の生き物のようで、火照るのを止められなかった。

あんな感覚は…初めてだった。




不意に、龍太が私の手を掴んだかと思ったら、沖本君を無視して歩き出した。

「え?りゅ…龍太!?どうしたの?」

彼もそんな私達の様子をただ黙って見送っている。


なに?なんなの?2人とも…変だよ?


私は龍太に強引に引きずられながら学校をあとにした。