「今日もとりまきがいっぱいだね、竹内君」

竹内君を見ては溜め息をついている私に話しかけてきたのは


親友の神崎 有紗。


モデルみたいに背が高くて綺麗なの。

反対に、性格は男みたいにサバサバしてる。
今のところ彼氏はなし。


「…うん……みんな綺麗な人ばっかり」

そう言ってまた溜め息を吐く。

「琴葉!また溜め息…幸せが逃げるよ」

“幸せが逃げるよ”

有紗の口癖。

「だって……」

「琴葉は可愛いんだから自信もちな!」

…有紗に言われても嬉しくない。

有紗の方が誰が見ても可愛いじゃん。綺麗じゃん。

「いつまでこのままでいるつもり?」

有紗の言いたいことはわかってる。

さっさと告白してしまえって毎回言われる。

ウジウジしてなかなか行動しない私にいつもイライラする有紗。

有紗の世界にはいつだって白か黒しかないから。